サッカー上達

【決定的な違い】イニエスタのドリブルの何が凄いのか

誰もが知るスーパースター「イニエスタ」のプレー分析です。

身体の大きさや、スピードがあるわけでもないですが、なぜあれだけたくさんの、攻撃におけるインパクトのある仕事をするのでしょうか。

信じられないです。

しかし、何であそこまでうまいのか。やはり、そこには目に見えないテクニックもたくさんあると思います。

試合映像をゆっくり見て、そこから見つけた発見を皆さんにシェアしていきたいと思います。

イニエスタのドリブルの何が凄いのか

イニエスタの上手さは見るだけでわかりますよね。パスがうまい、ドリブルがうまい、トラップがうまい、シュートがうまいです。攻撃におけるほとんどです。攻撃において特別な存在なのは誰にでもわかります。

1番の武器とは

しかし、私が思う1番の武器とは、ここぞという時に敵陣に潜り込むドリブルから、決定的なプレーができる事だと思います。その要素は以下です。

①敵陣への侵入スピードが早い
②敵陣内のプレッシャーの中でもボールが身体から離れず、常に良い状態でボールを保持できる。

この2点です。この点は日本人プレーヤーと決定的に違います。

敵のファーストDFは、イニエスタのスピードの速さに対応出来ず、引き離されるシーンをよく見ます。これは、初速スピードの早さと、最初の2タッチの推進力の高さからです。これにより、2タッチ〜3タッチ内で完全に敵DFを引き離します。

これは、プレッシャーのない場所ではなく、プレッシャーのある敵陣内でも行われるので、相当技術が高くなければ難しいです。

さらにイニエスタは、敵陣内でのパス成功率が、全体の成功率とほとんど変わりがなく高いですが、それはプレッシャーの中でも、常に良い状態でボールを持てているため、敵のDFも簡単に飛び込めないからというのもあると思います。

スピードがあり、良い状態でボールを保持されると、DFは手が出せず後手になります。たまらなく突っ込むとかわされるし、待てば好きにやられる状況です。

日本人プレイヤーのほとんどは、侵入スピードが遅いか、または侵入スピードが出せても良い状態でボールを保持できないかのいずれかになります。これらのプレーだと敵のDFのプレッシャーを受けやすくなりますので、敵陣に潜り込んでのプレーは難しくなります。

①敵陣への侵入スピードが早い

イニエスタは、侵入スピードがとても早いです。スルスルっとすり抜けていく感じです。

侵入スピードの速さとは、「初速力」と「推進力」です。これらにより、2タッチ〜3タッチで敵のファーストDFを引き離して敵陣内へ侵入して行きます。

初速力とは、スピードではなく「身体の使い方」で、推進力とはスピードではなく「技術」になります。

・初速力:加速するための最初の動作
・推進力:1、2歩で大きく引き離すドリブル技術

初速力

初速とは、プレーのスピードをつけるための最初の動きです。イニエスタは、この初速を出す動作が非常にうまいです。

・フェイントした足でさらにステップを入れる
・膝を先行させながらボールを運ぶ
・胸骨から加速する

フェイントを入れた左足で、さらに外側にステップを入れることで、方向を変える際の初動を高めるための動作になります。これは、地面を蹴るのではなく、地面に対して力を抜く動作です。

それにより身体が倒れる力を利用して、次の動作を早めることができます。これは、重力を利用した動作で、地球を味方につけているのです。

逆に、地面を強く蹴って方向を変えるドリブルとは、地面を蹴った瞬間と、蹴った力が身体に伝わるまでの時間に差異が出るため、予定していた動作より遅い動作になります。これは地球を味方にできていません。

そして、ボールを運ぶ際は膝の下にボールを置いて、膝からボールを運ぶイメージを持ちます。これにより、身体とボールが一体のドリブルを可能にします。

さらに、ボールを運ぶと同時に、胸骨も同時に先行させてドリブルして行きます。動作のスタートとは、手足などの末端ではなく、胸骨や肩甲骨から行います。いってみれば、上半身でプレーをし、手足は後からついてくる飾りとみます。

上記で説明した力を抜く方法も、胸骨動作もどちらも武道の動きに共通します。


イニエスタ自身のスピードはそれほど速くはないですが、初速のスピードを早めれば、DFを置き去りにできることを示しています。そして、この初速スピードは筋力ではなく、身体の使い方になります。

推進力

次は、初速でつけたスピードを落とさずに、加速してドリブルさせます。

最初の2タッチ〜3タッチでDFを大きく引き離します。特に最初の2タッチを意識します。

・後ろ足で地面を蹴って飛ぶようにドリブルする。
・できるだけ前方でボールをタッチ
・足首は自然な状態でつま先付近でボールをタッチ
・2歩1タッチプレー

初動でつけたスピードでDFを置き去りにするために、次の2タッチはできるだけ前方でボールをタッチしスペースに向かいます。ボールに対して飛ぶようにドリブルするイメージです。その時は、足首を自然な状態のまま、つま先付近でボールをタッチして行きます。

両足が宙に浮いている状態でボールに触れているのがわかると思います。これは、後ろ足でしっかりと地面を蹴って、2歩1タッチでプレーすることがポイントです。

この最初の2タッチで、相手DFを引き離し、良い状態で敵陣に向かって侵入して行きます。

②敵陣内のプレッシャーの中でもボールが身体から離れず、常に良い状態でボールを保持できる

プレッシャーが高まった場所に入ると、膝の下にボールを置き直し、様々なプレーが選択できる良い状態でドリブルをします。

・膝の下にボールを置く
・足首は自然につま先付近ででボールをタッチ

膝とつま先を結んだラインが、地面から垂直に伸びてることを意識しながらボールをタッチをします。

身につけれます

これらは練習次第で習得できます。目に見えにくい、これらの細かい技術を習得しなければ、本質的な向上に繋がりません。トップの選手は、これらの細かい技術や身体の使い方をしっかりと体現出来ているからこそトップの選手なのです。

特に、ドリブルの使い分けは、多くの練習をしなければ習得できません。ぜひ、イニエスタのドリブルが体現できるように頑張ってください。

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