サッカー上達

サッカーにおけるテクニック系の技術練習は基礎ではない

世間の常識 幼少時代の技術の習得が大成の鍵である
我々の常識 凡庸になる最大の要因は幼少期の技術練習にある

サッカーの上達において、足元の技術やテクニックを磨くことが基礎と認識されていますが、本当にそうなんでしょうか。

私は決してそうでは無いと確信しております。
幼少期の技術練習やテクニックは、基礎になるどころか、むしろ弊害になることが多いです。

技術練習やテクニック系の練習を、日本では”基礎”という位置付けに置くがゆえ、疑いもなく技術習得に向かう現状に危惧してます。

サッカーにおけるテクニック系の技術練習は基礎ではない

武道と同様にサッカーにも”型”に似た概念が必要

話は少し変わりますが、私は小学生の6年間剣道をしていました。

剣道の基礎練習は、素振りというものです。
一定のテンポに合わせて、竹刀を振り上げて振り下ろすと言う動作を、下半身との連動で行います。

竹刀は左手で握り、右手は添えるだけが基本的な持ち方になります。
私は、毎朝この素振りを左手だけで振っていました。

このおかげで、基本的な素振りをマスターしたと思っています。
一定のテンポに合わせて竹刀を振り上げて振り下ろし、さらに下半身も前後に動作させます。

この動作を、完璧なタイミングで振り続けるのです。

この基本的な素振りとは何かと言うと、規則的な未来の動き(リズム)に対して、正確な動作で完璧にタイミングをとることを目的としているのです。

つまり、武道における基礎とは、予測とタイミングを完璧に行うことを目的としているのです。
(異論はあると思いますが、私はそう認識しています。)

私は、この基本の型である素振りを見て、強い選手か弱い選手かがわかりました。
そして、この素振りを本当の意味で正確に振れる人はほとんどいませんでした。

ほんの少しであるが、上半身と下半身の連動がズレている。
ほんの少しであるが、力を入れるタイミングがズレている。
ほんの少しであるが、テンポに対してタイミングがズレている。

全てほんの少しのズレです。
多くの人が規則的なテンポに対して動作にズレがあるのです。

このテンポとは、過去から未来へ流れる動的な情報なので、多くの人がその動的な情報に対して、予測して正確にタイミングが取れていないことになります。

一定のテンポに対して正確にタイミングが取れないのであれば、実戦でタイミングを取ることなど不可能なのです。ですので、こういう人たちは状況に応じてプレーするのではなく、自分のやりたいようにプレーをしてしまいます。

当然、駆け引きもなく、動きが単調になるので簡単に読まれてしまいます。

これはサッカーでも同じです。
テクニック系の練習で育ったプレーヤーは、状況を無視して自分のやりたいようなプレーをしてしまいます。

それは、テクニック系の練習というのは、予測とタイミングを必要としない練習だからです。
以下で説明します。

ですので、サッカーも武道に似た”型”の考え方が必要です。
そう、基礎の練習はテクニックなどではなく、予測とタイミングでなければいけないのです。

テクニックの弊害

一般的に基礎と言われているテクニック系の練習は、なぜ基礎として成り立たないのか。

それは、テクニック系の練習では動的な情報がありません。コーンドリブルなどに代表されるドリブルやテクニックの練習は、未来を予測してタイミングを取らなくてもできる練習です。

動かないコーンに対して、ボール扱いが”正確に、素早く、容易”に扱えるかなどになります。

この練習を基礎とすると、予測とタイミングの必要性が全くない練習のため、実戦でもタイミングのないプレーにつながります。

こういう子供達は、状況にプレーを合わせるのではなく、自分のプレーが状況に合っているかどうかで成否が問われます。

早熟のスター

小学生時代に活躍していた選手が、中高生になると平凡になっていくパターンがよくありますが何故でしょう。それは、テクニックやドリブルといった技術練習を中心として成長してきたからです。

では、何故ダメになるのか。
前述したように、タイミングを取ることを怠ってきたため、自分のプレーが状況に合わなくなってくるためです。

小学生というのは、相対的に未熟な子供を相手にする事が多いですが、年齢が上がるにつれて周りも成熟してきます。そうなると、自分のプレーが状況に合っているかどうかで成否が問われるプレーというのはほとんど通用しなくなります。

平凡になったというより、もともと平凡な方向に進んでいた結果なのです。
植えた種はそのようにしか成長しません。

ダイヤの原石

以上のように、基礎練習として技術やテクニック系の練習を取り入れると、後々に弊害が顕在化してきます。
本当の基礎とは、”正確な動作で予測してタイミングをとる”ことになります。

子供を、ダイヤの原石と仮定してください。
テクニックなどは装飾品なのです。まだまだ粗いダイヤの原石の上に装飾をしているようなものです。

決して美しくありません。
ガチャガチャしています。

ダイヤの原石は、まず光り輝くまで研磨する必要があります。
その作業が、タイミングをとることなのです。まずは、もともと付着している雑味をこれで取り除くのです。

そして、雑味を取り除いた後に、テクニック系の装飾を施していくことで綺麗に輝いていきます。

テクニック系の練習を全て否定するわけではありませんが、取り扱いに細心の注意を払わならない代物ということです。

正確な動作で予測してタイミングをとるに関しては、また別の記事でお伝えします。

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