世間の常識 才能のない子供は成長しない
我々の常識 才能こそ底上げすべき能力
努力のベクトルを正しい方向に向ける
多くの指導者や保護者たちが、子供の伸び悩みを技術の習得でカバーしようとしますが、そこに大きな誤解があります。
子供達への技術やテクニックの指導はむしろ害になるケース方が圧倒的に高いです。
普通の子供を優れた選手に育てたいのであれば、幼いうちに、「タイミングを取る力ををつけさせる」事が一番重要になります。
正しい方法を取りさえすれば、必ず子供達は飛躍的に上達します。
成長の輪
以下の図は、サッカーにおける子供の成長の過程を記した「成長の輪」です。
中心から、「 “才能・技術・楽しさ” 」という構図です。
一般的な指導では、この輪の外側から内側に向かう流れが多いです。
つまり、楽しませる事に始まり技術を習得させるという流れです。
しかし本当にそうなんでしょうか。
本来の指導の流れ
何故、同じ環境下(同じチームや同じ練習内容)で、うまくなる子と、そうでない子が出てくるのでしょう。
みなさん薄々お気づきだとは思いますが、子供にもともと備わっている「才能」が、成長に大きく関与するからです。
であれば、本来あるべき指導とは、内側から外側に向かうべきなのです。
しかし、なぜ従来のように外側から内側に向かう指導なのでしょうか。
それは、楽しさや技術が容易に指導できるのに対し、才能に関しては曖昧で掴み所がないため、手が出せずにいるからです。
しかし、子供の成長フローとは、中心から外に向かうものです。
であるなら、指導のフローも、この中心から外へのアプローチが必要ななります。
従来の指導方法では、指導の流れを応用から基礎に逆流させるのと同じです。
多くの子供たちが伸び悩む原因がここにあります。
才能とは
では、この才能とは何を指しているのでしょうか。
それが、冒頭に述べた、タイミングを取る能力になります。
サッカーはタイミングを取る能力が向上すれば、飛躍的に上達します。
本当の意味での上達を目指すなら、タイミングを取る能力を向上させることからスタートさせなければいけません。
ただ、ほとんどの子供たちがタイミングを取る能力を欠如させたまま、テクニックや技術ばかりを磨いているのが現状です。取り返しのがつかなくなるまで「ボタンの掛け違い」を続けているわけです。
サッカーが好きだけどなかなか上達せず、最終的に辛くなりサッカーをやめてしまう子供達などは、やる気やセンスに問題があるのではありません。
タイミングを取る力を身につけないまま、効果の薄い技術練習を続けているからです。
残酷な話ですが、将来の可能性はそこで潰されます。
タイミングを取る
では、タイミングを取る能力とはどのようなことを指すのか。
それは、予測して動作をとる能力です。
イメージしてください、縄跳びでも、キャッチボールでもいいです。
その動作には必ず予測が介在します。
無意識ではありますが、近い未来の動きを予測して、動作をとっているのです。
何故なら、動くものは予測をしなければタイミングを取る事ができないからです。
これは非常に重要な概念になります。
三つの要素
サッカーにおけるタイミングを取る能力には、以下の3つの要素を習得する必要があります。
①多軸の動き
②予測力
③動ける身体
いわゆる、サッカーにおける天才とは、これらの3つの能力をナチュラルに持つ子供のことを指します。
逆に言えば、サッカーを上達させるには、これらの3つの能力を身につけさせて、天才に近ずけてしまえば良いのです。
少し飛躍した表現になりましたが、天才の構造を紐解いて、子供の才能自体を底上げすることでサッカーを上達させることができます。
天才を紐解く記事は以下からご覧ください。
タイミングを養う方法
では、どのようにしてタイミングを取る能力を向上させるのか。
それは、音を利用します。
一定のリズムに対して、多軸の動作でタイミングをとる訓練を行います。
(多軸の動作とは、サッカーの動きに必要な特有の動作になります。)
リズムに合わせた多軸の動きこそが、サッカーにおける基礎動作と位置付けします。
サッカーにも型がある
武道には型というものがあります。
そして、サッカーにも型に近い概念が必要です。
上記でお話ししたタイミングをとる方法とは武道の型の考えを参考にしています。
以下の記事でご覧ください。
これは決して型にはめるという意味ではありません。
サッカーは楽しむべきですし、自由にプレーするのも大いに結構です。
ただ、守破離という言葉があるように、自由自在の境地とは、基礎を習得したその先にあります。
そして、基礎とはテクニックの習得ではありません。
タイミングを取る能力を養うことにあります。
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