自身の子供がスポーツの習い事において、
なぜ真面目に取り組まないのだろう
と思われる親御さんは、その理由をお伝えします。
それは、競争による比較や、何かの相対的な評価を受けたことにより、自己肯定感が下がったことが要因の可能性があります。
解決方法を言います。
実力を強制的に上げ、自律的に取り組ませる環境を作る
です。
今回の記事は、独自トレーニングの開発のきっかけと、その使い方ですが、上記に当てはまる方は引き続き読んでください。
独自トレーニング開発のきっかけと使い道
2013年に、
「小学3年生の時点で、Jリーグ下部組織に所属できる子供の育成クラス」
という方針で、DCMアカデミーというクラスを立ち上げました。このクラスの特徴は以下です。
対象年齢:幼稚園(4才)~小学2年生
指導期間:小学3年生まで
一般的なサッカースクールとはアプローチが異なり、このクラスは幼少期に絞って徹底的にサッカーを指導するという方針のクラスです。
これを立ち上げた理由は、指導歴20年の経験上、将来有望な選手は小学2年生時点での実力で決定づけられているとわかったからです。
*現在レアルマドリーに所属する中井くん(ピピ)も小学2年生時に指導していました。
それならば、2年生までに相当のレベルに持っていくことができれば良いと考え、このようなクラスをスタートさせました。
完成形のビジョンだけもち、子供達を徹底的に観察し、仮説をたて、検証を繰り返してる中で、ある時ふと閃いたのが今回の練習方法の元となる「リズムと2軸動作の練習方法」です。
土台をしっかりと作る
この練習は非常に効果が出ました。
3ヶ月もすれば動きがガラリと変わります。これはタイミングを取ることと、サッカー特有の動作である「2軸動作」を組み合わせた練習方法で、身体を思い通りに、大きく動かせることを可能にします。
幼少期で必要なことは、まずは思い通りに身体を動かすことなのです。
スポーツでなかなか上達しない子供は、身体を思い通りに動かせない状態のまま、様々な練習に取り組むからです。
スポーツの基礎を身につけるためには、まずは「思い通りに身体を動かせる」という土台が必要なのです。
成果と要因
さて、アカデミークラスの1期生は7名でのスタートでした。年少~2年生で構成されたメンバーです。どこかのチームに所属してる子供は1人もいませんし、もちろん子供を選りすぐんだわけでもありません。
現在(2019年時点)では、小4~中学生になってますが、成果は以下です。
・中学生 関西トレセン(1人)
・小6 関西トレセン(2人)、県トレセン(1人)
・小5 県トレセン(1人)
・小4 あるJリーグチーム史上最年少でJ下部スクールに合格(県トレセン以上は間違いない実力)
そして、上記のうち1人は日本のバルセロナキャンプでMVPも獲得しました。
このバルセロナキャンプは対象が6年生までで、全国4カ所で行いそれぞれのキャンプ地でMVPを選び、さらにその4名から1人のMVPを選出しますが、この子が3年生の時点でその1人に選ばれました。
実は、この子どもは、小学生に上がる前の時点で、親御さんから
センスがないからサッカーを辞めさせたい
と相談を受けた子供です。小学1年に上がると同時にアカデミークラスに入り、3年生の時点では相当の実力まで行きました。
このクラスのコンセプトにもある通り、3年生までの育成で終了するため、4年生以降はどこかのチームに所属することになるので、その後に所属したチームの指導によるものも大きいとは思いますが、それを差し引いても、大いに成果が出てると思います。
これは、幼少時代に、徹底的にサッカーのための身体づくりをしたからだ確信しています。
2期生
そして、2期生の募集ではさらに6名のメンバー加入しました。そして、そのうちの3人(3年)が地元の仲良しメンバーで、入会当初は正直メンタルも実力もどうしようもないレベルでした。
そして、この3人の子供は、チャレンジすることへの恐怖心という大きな問題をを抱えていました。
サッカーは大好きだけど、チャレンジすることへの恐怖心(自分を信じれない)を抱えてるため、何かをやる前から「~できない」など、逃げてしまう傾向にありました。
なぜこのような問題を抱えてしまうのかというと、
①周りと比べて相対的に上手くない
↓
②自己肯定感が低まる
↓
③チャレンジしない
↓
④実力が上がらない
↓
⑤自己肯定感が低まる
このようなネガティブループに入っているからです。
人間は、自己肯定感が高まることでチャレンジをしていきます。ですのでまずは、「リズムと2軸動作の練習方法」を使って、実力を強制的に引きあげました。泣こうが拒絶しようが関係ありません。
そして3ヶ月もすれば、上手くなった実感がわいてくるので(これは相対的評価ではなく、絶対的な評価です)、小さなチャレンジに向かって行くようになりました。こうなると
①チャレンジする
↓
②結果がでる(失敗しても実力がつく、そのうち結果が出る)
↓
③成功体験獲得
↓
④自己肯定感が高まる
↓
⑤チャレンジする
このような、ポジティブループに突入していきます。こうなると自律的にチャレンジしていく姿勢ができ成長に向かっていきます。
子供のほとんどの問題点は、チャレンジ出来きる土壌まで強制的に引き上げることと、自律性を身につけさせることで解決できると思う。
— サワダカズタカ (@makeplay_fun) February 4, 2020
ジュニア世代のスポーツの真実
ジュニアスポーツの大きな問題とは、競争による相対評価によって、自己肯定感が高まる子供と、そうでない子供に分かれることです。そして、それぞれがポジティブループ、ネガティブループに突入していきます。
そうなると、実力差はどんどん離れて行きます。これが、スポーツの世界の底辺で起こっていることです。
この3人の子供達は、泣きながらでも無理やりに実力を引き上げ、そして、自己肯定感が高まったことでチャレンジ精神が生まれ、さらに、依存しあう仲間集団だったのが、高みに向けて刺激しあうチームに変化しました。
これにより、1年で見違えるほど、メンタルと実力が上がりました。日本で行われたレアルマドリーキャンプで優秀選手に選ばれたり、県の有力なジュニアユースチームに合格したり、当初では考えられないステージに行きました。
これは、彼らがそれぞれのステージでチャレンジし続けた結果です。この子供達は、アカデミークラスでなければ途中でサッカーをやめていたと思います。メンタルも実力も手をつけれない子供達が、それぞれのステージでチャレンジをして、結果を出す姿を見て私は思いました。
このトレーニング方法は、子供達がそれぞれのステージでチャレンジ出来る土壌を作る事が役割
なんだと。
この年代の子供たちの1番の問題とは、チャレンジする事から遠ざかる事です。
サッカーがどれだけ上手になるかより、それぞれの子供達にチャレンジができる土壌を設けることの方が重要なのです。これが、困難を乗り越えられる、つまり、生きていくために必要な力に結びつきます。
サッカーを通して、1人でも多くの子供達が自律的に困難を乗り越えれるようになることが私の喜びです。
この記事へのコメントはありません。