才能こそ底上げすべき能力

遊びでわかるサッカーの才能【第2の才能】

遊びの代名詞である “鬼ごっこ” などを見ていると、ほとんどの幼少期の子供達は、正確に状況を把握せずに走り回っていることに気づきます。

例えば、

鬼が近くにいるから逃げる
皆が逃げる方向に逃げる
特に何も考えずに逃げ回る

など、それぞれで行動を起こす理由が異なっています。

遊びでわかるサッカーの才能

そのような中、また少し違った行動を取る子供がいます。
常に鬼や味方の位置を把握して状況を観察するような子供です。

このような子供は、全体の状況を把握するとともに、次に起こるシュチュエーションの予測を立てています。
直後に起こりうる、いくつかのシナリオを一瞬でイメージします。

そして予測をもとに、直後に起きた事象に対して素早く反応が出来るため、余裕をもって行動をおこす事が出来ます。こういった子供は、未来に判断基準があると言えます。

かたや、先ほどの冒頭で記した子供達などは、
「鬼が来たから、皆が逃げたから」など、直前の出来事(事実)に反応して行動しているのです。
こういった子供たちは、過去に判断基準があると言えます。

この二つのパターンの違いは、判断基準が未来にあるのか、過去にあるのかの違いです。

そして、この未来に対しての予測というものが、サッカー上達において非常に重要な要素になります。

規則的な動きでも対応ができない子供たち

では、難易度を下げて予測をしやすい遊びではどうでしょうか。
先ほどの鬼ごっこは不規則な動きであったが、今回は規則的な動きの遊びを紹介します。

前方から歩いてくる人の間を、ジグザグに走り抜けるのです。
前方からくる人たちは、一列になり等間隔です。

規則的な動きであるため簡単そうに思えますが、実は幼少の子供達は正確にすり抜ける事ができないのです。
多くの子供が一つ間を飛ばしたり、ぶつかったりするのです。

さらにそういう子供達は、失敗に気づいていない事が多いことに驚かされます。
このような規則的な動きでさえ、正確に認識して対応できないのです。

これもまた、未来の動きに対する予測ができていない事が一つの理由です。

未来と過去

上手な子供は、余裕をもってすり抜けていきます。これは、少し先の未来の動きを予測できているからです。未来の動きが規則的であるため、慣れればタイミングを取ってすり抜けていくことも難しくありません。

すり抜けの下手な子供たちは、目の前で起きた事象に対して反応していくので、規則的な動きでさえ対応しきれずにぶつかったり、一つ飛ばしたりしてしまいます。

このように、判断基準が未来にあるか、過去にあるのかの違いで成否が分かれるのです。

ただ、幼少期の子供たちのほとんどは、判断基準が過去にあるため、動くものに対して対応する事がとても困難なのです。

それでも楽しめるサッカーとは

このように、子供達にとっては、規則的な動きでさえ予測してタイミングを取る事が難しいのです。
ということは、サッカーで予測してタイミングを取ることなどほとんど不可能です。

なぜならサッカーとは、不規則な動きで、さらにボールまで扱わなくてはならないからです。
難易度が比ではありません。

ここで疑問が生まれます。
“なぜ子供達は、難易度の高いサッカーを楽しめるのか。”

先ほどの遊びのような、規則的で動的な動きでさえ対応できず、また思うように体が動かせていないのに、なぜ難易度の高いサッカーを楽しめてしまうのか。

失敗がなければ成長しない

本来は、動くものにタイミングが合わなければ楽しむことはできないはずです。

例えば縄跳びに例えると、回転する縄に対して、飛ぶという動作のタイミングが合わないと失敗に終わります。

よって、跳べるようになるために、縄の回転に対して動作を調整していきます。ここで縄の回転は比較的規則的な動きなので、予測を立てて動作を合わせていく事が容易です。そうすることによりタイミングを計り、跳べるようになり、楽しむ事ができるのです。

これは縄跳びというのが、失敗が明確な遊びのため、タイミングのズレを認識する事で改善ができるからです。

失敗とは、動きに対して動作のタイミングが合っていないという事です。
よって、失敗するたびに、動きに対するタイミングが間違っている事が明確にわかります。

失敗の基準が明確でない

しかし、サッカーや鬼ごっこというのは、動きに対して動作のタイミングあっていなくても楽しめてしまうのです。

それは、自由度が高いため、失敗の基準が明確ではないからです。
たとえ、無駄な動きや誤認識があったとしても、それを失敗だと推し量る明確な基準がないのです。

周りから見て失敗だと思うプレーが、本人は失敗だと思っていない事が往々にあります。

それは、人それぞれで認知するのもが異なったり、楽しみ方も万別にあるからです。
つまり、サッカーは、動きに対してタイミングがバラバラでも楽しめてしまうスポーツなのです。

楽しむだけでは上手くならない

これが、サッカーが難易度の高いスポーツだけども楽しめてしまう理由です。
個々で、都合の良いような認知や解釈をしても、また思うように身体を動かせなくても楽しめてしまいます。

そう、サッカーとはタイミングを取らなくても楽しめてしまうスポーツなのです。

これが、サッカーの上達を妨げている一番の理由になります。
しかし、楽しむことはできても一向に上手くなることはありません。

上達するには未来の動きを予測し、さらに動きに対してタイミングをとる事が不可欠です。
必ずタイミングをとらばければなりません。

そのためには、失敗というものを明確にして、未来の動きに対してタイミングを取る事が必要になります。
そうすることにより、予測力というものが養われていきます。

サッカーという自由度の高いスポーツをそのままプレーすることでは、予測力の習得は困難なのです。

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